【植木算】「公式」を覚えなくても解ける!ストーンサークルに並べた石の個数は?

【植木算】「公式」を覚えなくても解ける!ストーンサークルに並べた石の個数は? 算数
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 石を円の形に並べたものを「ストーンサークル(環状列石)」といいます。有名なストーンサークルには、世界文化遺産に登録されているイギリスのストーンヘンジがあります。日本でも、縄文時代中期後半から後期にかけて、東日本を中心にストーンサークルが造られました。

 ストーンサークルは、宗教的な儀式を行う場や死者を埋葬する墓地、季節を知るための装置と一般的に考えられます。一方、宇宙と交信する場で、UFOの発着場として機能していたという説もあります。

【植木算】「公式」を覚えなくても解ける!ストーンサークルに並べた石の個数は?

ストーンサークル(画像は写真ACより)

 さて、高校受験を控えた中学3年生の狸雄は、受験勉強をしたくないあまり、「宇宙人が地球を侵略しに来て、入試が中止にならないかな」と考えています。そこで、UFOを呼び寄せるためのストーンサークルを造ることにしました。

 そんな狸雄の悪だくみを通して、中学受験算数の「植木算」の基本を学びましょう。

植木算の「公式」は覚えるべきか?

【問題】狸雄は、形のよい石を空き地の地面に並べてストーンサークルを造ることにしました。

(1) 狸雄は3mおきに石を並べていきましたが、石の数が足りなくて円の形になりませんでした。このとき、最初に置いた石から最後に置いた石までの距離は54mでした。狸雄が並べた石は何個ですか。

(2) 狸雄は間隔を変えて石を並べていったところ、円周が114mのストーンサークルが完成しました。このとき、石と石の間隔は何mですか。

【問題】のように、あるものを同じ間隔で並べていって、その並べたものの個数と間の数の関係を考える特殊算は「植木算」と呼ばれます。植木算には次のような「公式」があります。

  • 両端にものを置く場合 … 間の数+1=ものの個数
  • 両端にものを置かない場合 … 間の数-1=ものの個数
  • 円の形にものを並べる場合 … 間の数=ものの個数

 これらの「公式?」を覚えても構いません。ただ、無理に覚えようとして「1を足すんだっけ?引くんだっけ?」と混乱するくらいなら、間の数とものの個数の関係をその場で確認できるようにした方がいいでしょう。

「公式」を覚えないのなら、小さい数で具体的に考えるのがおすすめです。たとえば、「3mの線上に1mおきにものを並べる場合」について、以下のように図を描いて確認してみましょう。

【植木算】「公式」を覚えなくても解ける!ストーンサークルに並べた石の個数は?

 両端にものを置く場合、間(1m)の数が3個で、もの(●)の個数が4個です。このことから、「間の数+1=ものの個数」とわかります。他の場合も同じように数えれば、「公式?」と同じ結果になります。

 植木算に限った話ではありませんが、算数や数学では、小さな数で具体的に考えてみて、その結果から明らかになったルールや規則性を大きな数に適用することが大切です。

ストーンサークルに並べた石の個数は?

【問題】の(1)は、円の形になっていないので、「両端にものを置く場合」と同じと考えられます。

【植木算】「公式」を覚えなくても解ける!ストーンサークルに並べた石の個数は?

 54mを3mで割って、54÷3=18が間の数です。したがって、並べた石は18+1=19(個)です。

【問題】の(2)では、19個の石を並べて114mの円(ストーンサークル)を造りました。「円の形にものを並べる場合」で「間の数=ものの個数」なので、114mを間の数の19で割って114÷19=6(m)が石と石の間隔です。

みみずく
みみずく

植木算は、その名前の通り、道や池の周りなどに木を植えていく問題がよく例題になっています。しかし、実際の入試では、今回の【問題】のように、木以外のものを並べる問題が植木算になっていることが多いので要注意です。

日本のストーンサークルを紹介

 算数とは関係ありませんが、日本のストーンサークルをいくつか紹介します。

  秋田県鹿角(かづの)市の大湯(おおゆ)環状列石は、野中堂(のなかどう)環状列石万座(まんざ)環状列石を合わせたストーンサークルで、縄文時代後期(約4000年前)に造られました。「日時計状組石」と呼ばれる石と、2つのストーンサークルの中心を結ぶと、夏至の日没の方向を指し示します。発掘調査では、たくさんの縄文土器や石器などが出土しています。また、死者が埋葬された痕跡も見つかり、共同墓地としても使われていたと考えられます。

 北海道余市(よいち)郡余市町の西崎山(にしざきやま)環状列石群は、縄文時代後期(約3500年前)の墓地です。第1区から第4区に区分され、第1区は史跡に指定されています。石を日時計型に配置している点に特徴があります。

 大分県宇佐(うさ)市にある米神山(こめかみやま)は、「神が宿る山」として古代から信仰されてきました。名前は、穀物の神・保食神(うけもちのかみ)を「米神」と呼ぶことに由来します。山頂にはストーンサークルがあります。麓にも、9本の巨石が並ぶストーンサークルがあり、「佐田京石(さだきょういし)」と呼ばれます。毎年3月、佐田京石の前で「米神山巨石祭」が開催されます。

 他にも、日本の代表的なストーンサークルがwebムーで紹介されています。興味のある読者さんはサイトで確認してみてください。

狸雄
狸雄

昨日はがんばってストーンサークルを造ったけど、結局UFOは来なかったなぁ……。

グレイ
グレイ

そんなことはない。昨日の真夜中、キミが造ったストーンサークルのおかげで、ボクのUFOは不時着に成功したんだ。キミは命の恩人だ。

狸雄
狸雄

後ろから声をかけてくるのは誰?えっ、宇宙人?地球を侵略するつもり?

グレイ
グレイ

侵略はしない。ただ、UFOが故障したので、ボクはしばらく地球にとどまるつもりだ。これからもよろしく。

コメント

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