【ニュートン算】増える量と減る量の差に注目する?ゾンビに占拠された村を救え!

【ニュートン算】増える量と減る量の差に注目する?ゾンビに占拠された村を救え! 算数
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 ゾンビは、何らかの理由で動けるようになった死体です。映画やゲームなどでは、肉体が腐ってボロボロのゾンビが人々に襲いかかります。ゾンビは既に命を失っているので、普通に攻撃されただけではほぼダメージを受けません。退治しにくい厄介なモンスターなのです。

 さて、某国の某村はゾンビに占拠されてしまいました。ゾンビを退治するため村に潜入した霧斗(悪魔祓い専門の神父の息子。高校3年生)と一緒に、中学受験算数の特殊算「ニュートン算」を学びましょう。

ニュートン算を増える量と減る量の差で解く

【問題】某村には既にゾンビが52体いて、1時間で3体ずつゾンビが増えていきます。

(1) 霧斗が1時間で7体ずつゾンビを退治していくとき、ゾンビを退治し終えるのに何時間かかりますか。

(2) 8時間以内にゾンビを退治し終えるためには、霧斗は1時間で最低でも何体ずつゾンビを退治していかなければなりませんか。

【問題】では、1時間で3体ずつゾンビが増える一方で、霧斗の活躍によって1時間で何体かずつゾンビが減っていきます。このように、一定の量ずつ増えることと減ることが同時に起こるのがニュートン算です

 ニュートン算には「はじめの量」「増える量」「減る量」の3つの数が登場します。これら3つのうち、増える量と減る量の差から、一定の時間で増える(減る)量を求めるのがポイントです。

みみずく
みみずく

「ニュートン算」という名前は、りんごの実が木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンに由来します。ニュートンの著書では、牛が牧草地の草を食べる場合を考える問題が紹介されています。

【問題】の(1)では、増える量は1時間で3体、減る量は1時間で7体なので、1時間で7-3=4(体)ずつゾンビが減っていくことがわかります。したがって、はじめの量にあたる52体のゾンビを退治し終えるのにかかる時間は、52÷4=13(時間)です。

 (2)では、8時間で3×8=24(体)のゾンビが増えるので、52+24=76(体)のゾンビを8時間で退治し終える場合を考えます。76÷8=9あまり4なので、1時間で9体ずつ退治していくと、8時間後には4体のゾンビが残ります。したがって、1時間で最低でも10体ずつ退治していかなければなりません。

 (2)の別の解き方も紹介します。まず、8時間で52体のゾンビを退治し終えるには、1時間で最低でも何体ずつゾンビを退治していかなければならないかを考えます。52÷8=6あまり4なので、1時間で6体ずつ退治していくと、8時間後には4体のゾンビが残ります。したがって、1時間で最低でも7体ずつ退治していかなければなりません。

 次に、1時間で3体ずつゾンビが増えていくので、これも退治することを考えて、7+3=10(体)が答えです。

霧斗
霧斗

 ゾンビを退治し終えるのに何時間かかっても、僕がもらえる報酬は同じ額なんだよね。だから、時間をかければかけるほど損するんだ。労働基準法に従って、1日8時間で終わらせるのがプロってもんだよ。

 勉強も同じで、何時間も机に向かってればいいってもんじゃない。限られた時間の中で結果を出せるのがプロの受験生で、そういう受験生が第一志望に合格すると思うんだ。

ニュートン算を線分図で解く

【問題】をイメージしにくいときは線分図を描いてみましょう。

 (1)では、ゾンビを退治し終えるのに□時間かかるとすると、線分図は下のようになります。上の段の「52体」は既にいるゾンビの数(はじめの量)、「3×□体」は□時間で増えるゾンビの数、下の段の「7×□体」は□時間で減るゾンビの数の数です。

【ニュートン算】増える量と減る量の差に注目する?ゾンビに占拠された村を救え!

 この線分図から、7×□-3×□=52という式を作れるので、4×□=52より□=52÷4=13(時間)が答えです。

 (2)では、1時間で△体ずつゾンビを退治していくとすると、線分図は下のようになります。時間は8時間で考えています。

【ニュートン算】増える量と減る量の差に注目する?ゾンビに占拠された村を救え!

 この線分図から、△×8=52+3×8=76という式を作れるので、△=76÷8=9あまり4となります。1時間で9体ずつ退治していくと、8時間後には4体のゾンビが残るので、1時間で最低でも10体ずつ退治していかなければなりません。

ゾンビとはいったい何なのか?

【ニュートン算】増える量と減る量の差に注目する?ゾンビに占拠された村を救え!

ゾンビ

 ホラー映画やRPGなどでおなじみのゾンビは、「生ける屍」として描かれるアンデットモンスターです。

 ゾンビ伝承は、コンゴなどで信仰される神「ンザンビ(Nzambi)」に由来します。ンザンビは「不思議な力を持つもの」の総称で、「生ける屍」ではありません。この神がカリブ海地域に伝わって、現在のようなゾンビとなりました。

 ゾンビを作るとされるブードゥー教は、西アフリカの宗教「ヴォドゥン」がカリブ海地域に伝わり、キリスト教などと混ざり合って誕生しました。ブードゥー教の儀式では、「ゾンビパウダー」と呼ばれる毒を使って犯罪者を仮死状態にした後、生き返らせて自我を奪い、罪を償わせるために労働力として使い続けたとされます。この説によると、生きている人間がゾンビにされていたことになります。

 近年は、「ゾンビ」という言葉が比喩(たとえ)として使われることもあります。たとえば、経営が成り立っていないにもかかわらず、金融機関や政府などの支援のおかげで倒産しない企業は「ゾンビ企業」と呼ばれます。他者の金に依存して生き永らえているゾンビ企業は、生きている人間を襲ってエサとする「生ける屍」のイメージに近いといえるでしょう。

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